営業の現場では、時に強く叱られることもあれば、大きな失敗をすることもあります。
そんなとき、あなたはどう反応しますか?
僕は、新人時代からずっと「全然大丈夫です」と笑ってごまかすようにしてきました。
ピンチにも動じない雰囲気を装い、「何事もなんとかなる」と思い込んでやり過ごしてきたんです。
でも、今振り返ると、その“強がり”には、いくつもの感情や課題が隠れていたと感じます。
今回は、そんな僕自身の経験を通して、
- 怒られても動じないふりをしていた理由
- その強がりがもたらしたメリットとデメリット
- そこから得られた本当の気づき
について、お話ししたいと思います。

「怒られても動じないふり」がクセになっていた新人時代
僕が営業として社会人生活をスタートした当初、周囲の先輩たちはとにかく優秀に見えました。
成果を出し、堂々と提案し、数字をつくる姿に、正直圧倒されていたんです。
一方で、僕はミスも多く、怒られることも少なくありませんでした。
でも、怒られた直後に「すみません!でも大丈夫です!」と笑ってごまかす。
それが、いつの間にか“クセ”になっていたんです。
内心は焦っているし、恥ずかしいし、悔しい。
でも、そんな感情を見せるのが怖かったんです。
「落ち込んでると思われたくない」
「メンタル弱いと思われたら、今後やりづらくなるかも」
「大丈夫そうに見せておけば、相手もそれ以上言ってこないかも」
そんな気持ちが、僕を”笑顔の仮面”で守っていたのだと思います。
「何事もなんとかなる」と思っていた。でもそれは“逃げ”だったかもしれない

僕を支えていたもう一つの考えが、「まぁ、なんとかなるでしょ」という楽観主義でした。
これは、自分を前向きに保つための精神安定剤でもありました。
でも、ふと立ち止まって考えたとき、こう思ったんです。
「なんとかなるって言ってるけど、本当に問題に向き合ってたかな?」
振り返ると、いくつかの失敗が思い出されます。
- なぜ怒られたのか、ちゃんと考えなかった
- 改善策を深掘りせず、すぐに次へ進んでいた
- 失敗を“経験”という言葉で片づけてしまっていた
「なんとかなる」は、時に自分を守る一方で、成長を止めてしまう“逃げの言葉”にもなるのだと、気づかされました。
強がりのメリットとデメリット
「怒られても動じないふり」は、一定の効果もありました。
✅メリット
- その場の空気を悪くしない
- 自分を守るための防御として機能する
- ポジティブな印象を持たれやすい
でも、それと引き換えに、見失っていたことも多かった。
❌デメリット
- 本当の気持ちにフタをしてしまう
- 改善や反省が浅くなる
- 周囲からのフィードバックが鈍くなる(「あいつは大丈夫そうだ」と思われる)
特に後半のデメリットは、後々大きな差になって現れました。
同期の中には、素直に悩みを共有し、先輩からアドバイスをもらってどんどん成長していった人もいます。
僕は“平気なふり”をしていたぶん、そういうチャンスを逃していたんだと、今なら思います。
強がりをやめたとき、営業が少しだけ楽になった

転機が訪れたのは、入社して3年目。
あるお客様からクレームをいただいたとき、自分では処理しきれず、ついに先輩に頭を下げました。
「もう限界かもしれないです。どうしたらいいか分かりません」
そのとき、先輩は怒るどころか、すごく親身になってくれたんです。
その瞬間、肩の力が抜けて──「強がらなくてもいいんだ」と初めて思えました。
そこからは、失敗も素直に打ち明けるようになりました。
もちろん恥ずかしさはありましたが、それ以上に、周囲との関係が変わったのを実感しました。
- 具体的なフィードバックをもらえる
- 「それ、俺もあった」と共感が返ってくる
- チームで助け合える雰囲気になった
すると、不思議と営業の仕事が少しずつやりやすくなっていったんです。
まとめ:本音と向き合えた先に、本当の成長があった
怒られても「全然大丈夫です」と言い続けていた過去の僕に、今ならこう言いたい。
「もっと本音を言ってよかったんだよ」と。
営業は、人と人との仕事。
強がりで隠すよりも、素直でいる方が、学べることも助けてもらえることも、圧倒的に多いです。
もちろん、すべてをさらけ出す必要はありません。
でも、「誰にも頼れない」「気持ちを出せない」と思い込んでしまうと、チャンスを遠ざけてしまう。
もし今、あなたが「大丈夫なふり」をしているなら──
ほんの少しでいいから、「本当はどう感じているか」を自分に問いかけてみてください。
その一歩が、あなたらしい営業スタイルへの道しるべになるかもしれません。
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