「フィルダースチョイスって、結局どういうときに使うの?」
プロ野球中継や草野球でもよく耳にするこの言葉。
なんとなく「守備側の判断ミス」や「みんなセーフのときの記録」と思われがちですが、実はルール上の定義は少し違います。
この記事では、多くの人が勘違いしやすいポイントを整理しながら、「フィルダースチョイス」の本当の意味をわかりやすく解説します!
フィルダースチョイスとは?

フィルダースチョイス(fielder’s choice)とは、内野ゴロなどの打球に対して、守備側が打者ではなく、走者をアウトにしようとしてプレーを選択した結果、打者走者をアウトにできなかった場合に記録されるプレーです。
たとえば──
- ランナー1塁、打者が内野ゴロを打つ
- 守備側が2塁へ送球し、1塁走者をアウトに
- 打者走者は1塁にセーフ
この場合、「フィルダースチョイス」と記録されます。
よくある誤解「両方セーフ=フィルダースチョイス」?

❌ 多くの人の誤解
「走者も打者もセーフの時が、フィルダースチョイスなんでしょ?
実はこれはよくある誤解です。
もちろん、「両方セーフ」でもフィルダースチョイスになる場合はありますが、それだけが条件ではありません。むしろ、走者をアウトにして、打者がセーフでもフィルダースチョイスになるのです。

僕は野球歴25年以上ありますが、打者と走者の両方がセーフ(オールセーフ)の時に、フィルダースチョイスが記録されると認識していました。
でも、間違った認識でした….。
✅ 正しい理解
「走者をアウトにしようとしてプレーした結果、打者走者がアウトにならなかった」
→この判断が”選択(チョイス)”とみなされる。
つまり、
- 走者がアウト → 打者セーフ → フィルダースチョイス
- 走者セーフ → 打者セーフ → 守備側に明らかなミス(エラー)がなければフィルダースチョイス
- 打者をアウトにしていれば、フィルダースチョイスにはならない
エラーとの違いは?
ここも混同されがちですが、守備に明らかなミス(悪送球・捕球ミスなど)があった場合はエラーが記録されます。
一方、守備にミスがなく、選択の結果としてアウトにできなかった場合はフィルダースチョイスになります。
✅ 例:両方セーフでもエラーじゃないケース
- ランナー1塁
- ゴロを処理した三塁手が、2塁へ送球
- 二塁は間に合わずセーフ
- 打者走者も1塁セーフ
守備にミスがなければ、これはフィルダースチョイス。

フィルダースチョイスは打者の成績にどう影響する?
フィルダースチョイスは、ヒットとして記録されません。
打者には出塁が記録されますが、打率は上がらず、打数にはカウントされるため、バッターにとってはやや不利な記録とも言えます。
フィルダースチョイスはスコアにどう記録される?
実際のプレーでスコアブックをどう記録するか見てみましょう。
【例】
ランナー1塁
打者:サードゴロ → セカンドへ送球 → セーフ → ファーストへ転送もセーフ
この場合、守備側がセカンドでアウトを取りにいって失敗したため、フィルダースチョイスが記録されます。

「打者も走者もセーフになったらエラーじゃないの?」と誤解されがちですが、
守備側が判断通りのプレーをしたけど間に合わなかった場合は、エラーではなくフィルダースチョイスになります。
守備側に明確なミス(捕球・送球ミスなど)がない限り、フィルダースチョイスです!

学生時代、守備の際に判断を誤って、オールセーフにしたことがありました。
「フィルダースチョイスかー」と思って、後でスコアを見たらエラーが記録されていました(^^;;。
※捕球ミス・送球ミスがなかったため、正しくはフィルダースチョイス。
スコアラーが正しく理解していないと、エラーが記録されているかも….。
まとめ
- フィルダースチョイスは「守備側が選んだプレーの結果」
- 走者がアウトでも、打者がセーフなら成立
- 「両方セーフのときだけ」と思われがちだが、それは誤解
- 明らかなミスがあれば、それは「エラー」
- 打者にはヒットはつかず、打率にも反映されない
この記事が届いてほしい人
- 野球中継で「フィルダースチョイス」が気になった人
- 野球ルールに興味がある初心者の方
- 少年野球や草野球の指導者・選手
- 記録に関心のあるスコアラー志望の方
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