かつての営業といえば、
・「足で稼げ」
・「とにかく訪問しろ」
・「断られてからが勝負だ」
といった“根性論”が当たり前の時代がありました。
しかし、今は令和の時代。働き方も、価値観も、顧客との関係も、大きく変わってきています。
本記事では、時代遅れになりつつある「根性営業」と、今の時代に求められるスマートで成果につながる営業スタイルの違いについて解説します。
そして最後には、「気合だけでは足りない。けれど、戦略だけでも成果は出ない」──そんな今の時代に必要な営業の本質にも迫ります。
そもそも“根性営業”って何？
“根性営業”とは、論理や戦略よりも「気合」「行動量」「忍耐力」に重きを置いた営業スタイルを指します。たとえば：
- 1日100件の飛び込み訪問
- 断られても何度でも通う
- 相手が望んでいなくても、納得するまで売り込む
- 精神論でモチベーションを維持
かつてはこうした営業で結果を出す人も多く、営業＝「根性勝負」と考えられていました。
しかし、情報が行き交うスピードが早くなり、働き方も多様化した現代においては、このスタイルが通用しなくなってきているのが実情です。
“根性営業”が時代遅れになった3つの理由
1. 顧客はすでに情報を持っている
インターネットで商品やサービスを比較検討できる時代。お客様は、営業を受ける前にすでに「どこがいいか」「価格はどうか」などの情報を把握しています。
そんな中、商品の理解もないまま気合だけで押し切ろうとすると、むしろ信頼を失う可能性があります。
2. “しつこさ”は逆効果になりやすい
以前は「熱意」と受け取られていた粘り強さも、今では「しつこい」「空気が読めない」と思われることも。顧客との信頼関係が重要視される今、しつこい営業は「売り込み感」が強く、かえって信頼を損なうリスクがあります。
3. 営業マン自身が疲弊する
「断られてもめげない」精神は重要ですが、気合だけで成果を上げようとすると心がすり減ります。再現性が低く、属人的になりがちなのも“根性営業”の弱点です。
「気合いだけじゃ無理？」今の時代に成果が出る営業スタイルとは？
では、今の時代に合った営業スタイルとはどのようなものでしょうか？キーワードは「戦略」「共感」「価値提供」です。
1. 顧客視点の課題解決型営業
営業は「売る」ことではなく、「お客様の課題を解決すること」。そのためには、商品を“売り込む”よりも、「相手の困りごとを聞き出し、それにどう役立てるか」を提案できる力が求められます。
昔は「とりあえず訪問してパンフレット配布」ばかりしていた僕も、
「それで何が伝わるんだ？」
と疑問に思い始め、まずは取引先の課題をヒアリングしてから提案するようにしたところ、成約率もぐっと上がりました。
2. 信頼をつくる情報提供型アプローチ
今は「この人から買いたい」と思ってもらえる関係性づくりが大事。商品の魅力を伝えるだけでなく、業界動向や最新情報など“お客様の役に立つ情報”を提供することで、自然と信頼が生まれます。
訪問時、取引先に業界ニュースや補助金情報を案内するだけでも「有益な人だ」と感じてもらえることが多いです。
3. データとツールの活用
今はSFA（営業支援ツール）やCRM（顧客管理ツール）を活用して、効率よく動くのが主流です。感覚ではなくデータに基づいて営業活動を組み立てることで、成果につながりやすくなります。
私の勤めていた会社も10年間で、
・会社支給の携帯がスマホに変更
・営業全員にタブレット支給
・その後、タブレット→パソコン
になり、顧客情報を外出先でも確認できるようになりました。
変わる営業現場──“動く”よりも“考える”営業へ
昭和の営業：
- 動いてナンボ
- 気合と根性で突破
- 「売れるまで帰ってくるな」
令和の営業：
- ヒアリングと分析
- 顧客との信頼関係を重視
- 無理に売らず、課題に寄り添う
根性型の営業は、かつての環境や文化に最適化されたものであり、今の時代の営業には合っていません。
むしろ、顧客に寄り添い、提案力と信頼で勝負する“スマート営業”のほうが、長期的に成果を出しやすいのです。
結論：これからは「気合×戦略」のハイブリッドが鍵
もちろん、営業において「根性」がまったく不要というわけではありません。目標に対してやり抜く力や、断られても前に進む粘り強さは、今も変わらず大切です。
ただ、それを「気合だけ」に頼るのではなく、「考えて、動く」ことが求められる時代になった、ということです。
これからの営業マンに求められる力
- 情報収集力（業界、顧客、競合）
- 論理的思考力（提案の筋道を立てる）
- 共感力（顧客の立場で考える）
- 戦略的行動力（計画→実行→検証）
「昔はこれでうまくいった」は、今では通用しないことも多い。営業もまた、時代に合わせて”進化”しなければ成果は出せない——そんな時代を私たちは生きています。
あなたは今、どんな営業スタイルをしていますか？
根性に頼りすぎていませんか？
それとも考えすぎて動けていない状態ですか？
営業という仕事は、「人と人」の信頼関係がすべて。気合と努力を大事にしつつも、時代に合った戦略を持って、もっとスマートに成果を出していきましょう。
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