楽しみにしていたプロ野球観戦。
チケットも手配して、友達とも予定を合わせて、あとは球場に行くだけ…そんな時に「本日の試合は雨天のため中止となりました」というお知らせ。
ファンとしては残念でなりませんが、ふと湧く疑問。
「じゃあ、この試合っていつやり直すの?」
今回は、そんな疑問を解決するために、プロ野球の雨天中止と再試合の日程がどう決まるのかを、わかりやすく解説します!
試合が中止になるタイミングと判断基準
誰が決める?雨天中止の判断権
プロ野球の試合が雨で中止になるかどうかは、基本的に主催球団(ホーム側)の判断によって決まります。
セ・リーグでもパ・リーグでもこのルールは共通で、例えば阪神vs巨人の試合で甲子園開催なら、阪神が判断の主体です。
もちろん、球場スタッフや審判団の意見も参考にしながら、
・グラウンドの状態
・雨の降り方や予報
・選手・観客の安全
などを総合的に考慮して決定されます。
また、天気の急変が予想される場合や台風接近中など、極端な状況ではNPB(日本野球機構)と連携して決定されることもあります。
つまり、「試合をやるかどうか」は球団が責任を持って判断しているわけですね。
どのくらい前に決まる?
雨天中止の発表のタイミングは、明確なルールがあるわけではなく、ケースバイケースです。
ただし、一般的には試合開始の2〜3時間前までに判断・発表されることが多いと言われています。
なぜそんなギリギリなのかというと、
・雨が止む可能性がある
・グラウンド整備で開催可能になるかもしれない
・ファンの来場状況も見ながら判断する必要がある
といった理由があるからです。
特に、地方球場や屋外球場での試合は、直前まで開催の可否がわからないことも多く、SNSや球団公式サイトでこまめなチェックが欠かせません。
また、台風などの荒天の場合は前日やそれ以前に早めの判断が下されることもあり、交通機関への影響なども加味されます。

中止後の試合はどう振替される?4つのパターン
1.予備日にスライド
最も基本的な振替パターンが、あらかじめ設定されている「予備日」にスライドする方法です。
プロ野球のシーズン日程には、各カードの3連戦ごとに数日の予備日が用意されている場合があり、中止になった試合はその空き日に振り替えられることが多いです。
例えば、火〜木の3連戦で水曜日が中止になったとします。
この時、金曜日が空いていれば予備日としてそこに試合が組み直されるというわけです。
ただし、予備日は選手の移動日や球場の利用状況も関係するため、必ず使えるとは限りません。
また、試合数が多く中止が立て続けに発生すると、予備日だけでは消化しきれないケースも出てきます。
2.別開催地での同カードにスライド
次に取られる方法が、別の開催地で予定されている同じカードにスライドして組み込む方法です。
例えば、4月に甲子園で予定されていた「阪神vs巨人」が中止になった場合、後日東京ドームで予定されている「巨人vs阪神」の3連戦の中に振替試合を1試合追加でねじ込む、というやり方です。
この方法は、日程に余裕がなく予備日が使えない時や、ドーム球場で中止のリスクが低い会場が後に控えている場合に選ばれます。
ただし、ホーム・ビジターのバランスが崩れるため、チーム側の収益や公平性に配慮しながら慎重に検討される手法です。
3.ダブルヘッダー(超レアケース)
プロ野球では基本的に1日1試合が原則ですが、どうしても日程が足りない場合に限り、例外的に「ダブルヘッダー(1日2試合)」が組まれることがあります。
近年では、新型コロナウイルスの影響でダブルヘッダーの実施も検討されましたが、行われることはなく、1998年以来ダブルヘッダーは行われていない状況です。
ダブルヘッダーは選手にとっての負担が大きく、観客対応や球場運営の難しさもあり、極めて異例の措置とされています。
4.シーズン終盤の空き日程に詰め込み
予備日や別開催地での調整が全て難しい場合、最終的に取られるのが、9月以降のシーズン終盤に未消化分を「詰め込み」で対応する方法です。
この時期になると、すでに順位が確定しているチームと、優勝やCS(クライマックスシリーズ)進出を争うチームとの対戦が重要となります。
NPBとしても「消化できないまま終了」は避けるため、空いている月曜や移動日などに無理やりねじ込むケースが出てきます。
そのため、9月〜10月は平日のデーゲームが突如開催されたり、連戦続きになったりと、ファンにとっても選手にとっても”予測不能”な展開になることがあるのです。

ファンが知っておくべき雨天中止Q&A
チケットはどうなる?
雨天中止になった場合、その日のチケットは「無効」となり、払い戻しの対象になります。
購入方法によって対応が異なるため、以下のポイントをチェックしておきましょう。
・球団公式サイトや購入先での払い戻し案内を確認
・クレジットカード決済なら自動で返金されるケースもあり
・コンビニ発券の場合は店舗での手続きが必要な場合も
また、振替試合にはその日のチケットが使えるわけではないので、新たに買い直す必要があります。これは意外と知られていないポイントですね。
遠征観戦の注意点は?
遠征して観戦に行く予定の日が雨天中止になると、交通費・宿泊費が無駄になってしまうことも…。
そこで、少しでもリスクを減らすには以下の対策が有効です。
・天気予報を早めにチェックして、柔軟に予定変更できるプランにする
・ドーム球場を選ぶことで中止の可能性を回避
・現地到着前に球団の公式SNS・アプリで中止情報を確認
特に、地方球場開催や梅雨時期は中止の可能性が高まるため、慎重な計画が必要です。
経験上、「前日夜の決断」が遠征組のカギになります。
セ・パの違いと雨天リスクの豆知識
ドーム球場が多いパ・リーグの強み
雨天中止のリスクに関して、セ・リーグとパ・リーグでは事情が異なります。
というのも、パ・リーグの本拠地にはドーム球場が多いからです。
・ソフトバンク(福岡PayPayドーム)
・西武(ベルーナドーム)
・日本ハム(エスコンフィールドHOKKAIDO)
・オリックス(京セラドーム大阪)
これらは天候に左右されない球場なので、基本的に雨天中止の心配はありません(台風などの交通事情を除けば)。
そのため、試合スケジュールが比較的安定しやすいのがパ・リーグの特徴といえます。
一方、セ・リーグで本拠地がドーム球場なのは
・巨人(東京ドーム)
・中日(バンテリンドーム)
だけです。
屋外球場が多いセ・リーグは、雨天中止のリスクが常に付きまといます。
ファンとしても、観戦計画を立てる際に意識しておきたいポイントですね。

まとめ:雨でも野球は楽しめる!
プロ野球の雨天中止は、ファンにとって残念な出来事のように思えるかもしれません。
しかし、その裏側に球団やNPBの工夫、柔軟な日程調整の努力が詰まっています。
中止の決定権やタイミング、振替方法のパターンを知っておくことで、
・観戦計画の立て直しがしやすくなる
・中止後の試合も楽しみに待てる
・「あ、今日は中止かも」と察する力もつく
など、より”深く”プロ野球を楽しめるようになります。
試合が中止になっても、それはまた別の日のドラマへの伏線。
雨が生んだ振替試合が、思わぬ名場面につながることも——。
プロ野球は、晴れの日も、雨の日も面白い。
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