「信用金庫の営業職って、実際どんな1日を送っているんですか?」
就活生や転職希望者からよく聞かれる質問です。
僕は地方の信用金庫で10年間、営業職として働いてきました。
今回は、そんな僕のとある1日を時間軸に沿ってご紹介します。
信金の仕事に興味がある方は、リアルな現場の空気を感じてみてください。
出勤〜朝礼:支店の空気と朝の準備

出勤:8時15分頃/始業8時30分
僕が勤めていた信用金庫では、会社のセキュリティが8:15に解除され、それ以前は建物に入れません。
出勤後すぐに店内外の清掃から始まります。
これは当番制で、若手だけでなく役席者も担当します。
8:30になると金庫を解錠できるようになり、書類や端末の準備が始まります。
開店は9時。全員で慌ただしく開店準備に取り組みます。
朝礼は支店によって有無が異なります。
僕のいた信金では、朝礼を行わない店舗のほうが多かったです。
特に営業職は9時前に外出することもあるため、朝礼がないほうがスムーズでした。

数年前までは早朝に出勤して準備しても問題ありませんでしたが、最近では働き方改革の影響で、PCのログインは始業後でないとできなくなっています。
午前:ルート営業メインの外回り

9:00〜11:30
午前中は、既存のお客様のご自宅や会社を回ることが中心です。
融資の進捗状況を確認したり、預金の継続を依頼したり、新しい提案を行ったりします。
一般職員はバイク、役席者は社用車を使って営業に出ます。
定期積金の集金がある日は、午前中だけで20件以上回ることもありました。

定期積金の集金は「○日が集金日」と決まっていて、お客様も待ってくださっているので絶対に忘れられません。
反対に、集金がない日は新規開拓の時間に充てることが多いです。
帰店・昼休憩:現金処理と貴重な休憩時間

11:00〜13:00
支店に戻ったら、まず預かった現金の集計作業を行います。
1円でも合わなければ大騒ぎです。
僕も若い頃、何度か現金が合わずに焦ったことがあります。
そんなときは一人で抱え込まず、すぐに上司に報告して原因を一緒に突き止めることが大切です。
その後、昼休憩に入ります。
営業職の特権は「昼休憩を自分で調整できること」。
お客様との予定に合わせて、14時ごろに取ることもあれば、繁忙期には休憩自体が取れない日もありました。

食堂や休憩室で昼食を取るのがベター。自席で食べると、電話対応などでゆっくりできないことが多いです。
現金が合わないからといって「自腹で合わせる」のは絶対NG。発覚したら大問題になります。
午後:新規開拓や提案準備の時間

13:00〜16:00
午後は、新規のお客様への訪問や、午前に回れなかった先のフォローを行います。
また、提案書類の作成や融資資料の準備など、デスクワークの時間もあります。
数年前までは、支店で書類を作っていると「外に出ろ!」と言われがちでしたが、
最近は「残業を減らす」方針が強まり、日中に事務作業をするスタイルが一般化しています。

・案件があるということは、書類作成も必要。
外に出ていない=仕事してない、というわけではありません。
・信金ではバイク営業が基本なので、どこかでサボるのは現実的に難しいです。
夕方:日報作成と明日の準備

16:00〜17:00
帰店後は、午後に預かった現金の収納や、訪問先で得た情報の入力を行います。
それが終われば、翌日の訪問予定を立て、どこで何を提案するかを整理します。
この時間をしっかり使って準備しておかないと、翌日はバタバタになってしまいます。
最後に夕礼があることも。
その日の実績や案件の進捗を全員で共有し、必要に応じてアドバイスを受けます。
支店によっては週1程度の頻度ですが、目標との差が大きいと詰められることもありました。

何も成果がない日は夕礼が憂鬱になることも…。
でも嘘はつかず、正直に報告するのが一番です。
実際どうだった?10年勤めた僕が思う「良かったこと・大変だったこと」
良かったこと
- 地域のお客様と深く関われる
- 感謝される場面が多く、やりがいを感じられる
- 地元密着なので、引越しを伴う転勤がない
大変だったこと
- 数字へのプレッシャーが常にある
- 飛び込み営業や断られる経験が日常
- 地域によっては人間関係の濃さがストレスになることも
- 雨の日も風の日も、バイク営業
まとめ:信金の営業職を考えているあなたへ

信用金庫の営業職は、単なる「商品を売る」仕事ではありません。
地域のお客様に寄り添い、信頼を積み重ねる――そんな人間関係がベースにある仕事です。
もちろん、楽しいことばかりではありません。
でも僕が10年続けられたのは、「人」との関わりにやりがいを感じられたからです。
この記事が、あなたのキャリア選択の参考になれば嬉しいです。
コメント